自然観察会
特定の植物と特定のダニやアブラムシなど小さな虫たちとの奇妙な関係とは?虫こぶを探そう!
草や木を観察していると、たまに普通とは異なる形状をした花や葉で「コブ状」になったものが紛れていることがあります。これはある特定の虫(ダニや菌類なども含む)が特定の植物に寄生し、植物の汁を吸い続けるのと同時に、その虫が寄生した部位を刺激することにより、その部位の細胞分裂が異常に促進させて肥大していきます。肥大して膨れた部位はやがて虫たちを覆う部屋のようなになります。その結果、寄生する虫はその部位の部屋で外敵から守ることができます。こぶになった部分が人間の目には異様と感じさせます。このこぶのことを専門用語で虫こぶ(虫えい)またはゴールといいます。虫こぶは山歩き中に気にしていないと見逃してしまいますが、観察すると意外と身近な植物にあったりします。山岳フラワーガイド沙羅の木では全コースにおいて虫こぶを観察することができる機会があります。季節で見られないものもありますが、探検しながら一緒に探してみませんか?



面白いのが、植物には特定の部位に特定の虫がつく他、虫こぶには染料の原料になることから「フシ」といい、虫こぶの命名には決まりごとがあります。虫がつく植物名+虫こぶが付く部位+形状(見た目)+フシです。中でも比較的知られている虫こぶにクヌギハナカイメンフシやエゴノネコアシフシというのがあり、クヌギハナワタタマバチやエゴノネコアシアブラムシに寄生された姿を観察することができます。近年、ユニークな虫こぶに特化した図鑑もあります。





虫こぶは注意しながら自然観察していると、身近な所で見つけることができます。植物にとっては栄養を吸われるだけで厄介な住人のようで、メリットは全くありません。小さな虫が大きな虫こぶつくる世界を山岳フラワーガイド沙羅の木では楽しく解説いたします!