花咲く箱根 金時山をガイド
4月23日の日曜日。この時期にしては強い寒気が南下していたこともあって、天気は雲の多い空模様でたまに日差しが注ぐものの、楽しみの一つであった富士山は全く見えず雲の中でした。一方で、3月から気温が高めで推移していたことから、マメザクラやミツバツツジは終わっていました。しかし、いつもの年より2週間ほど早くコイワザクラやキヨスミミツバツツジが見頃を迎えていたほか、ナツトウダイ、ホソバテンナンショウ、タチツボスミレ、オトメスミレなどが美しく咲いていました。
ちょうどお昼時の金時山山頂は多くの登山者で賑わっていましたが、金時茶屋で山菜お蕎麦おいただいているうちに13時30分を過ぎ、だいぶ人が減りました。富士山が見えれば我々の後ろにドカンと見えるのですが…。金時茶屋の女将さんは、僕が箱根湿生花園の学芸員時代に息子さんがお世話になっていたとか。。世間は狭し。
この鳥居の先は数年前の土砂崩れのために長らく足柄峠や夕日の滝方面からの金時登山ができなかったルート。ようやく開通です。以前12本あった階段は9本に減り、急な階段で整備されていました。
ミツバツツジは金時山には3種類分布し、標高の低いとこから1100mまであるミツバツツジ(ホンミツバツツジ)が3月中から咲きはじめ、花終わる頃の1000m以上にキヨスミミツバツツジが咲き、また花終わる頃の1000m以上にトウゴクミツバツツジが咲き、花期がずれています。おしべが5本のミツバツツジに対し、キヨスミミツバツツジとトウゴクミツバツツジは10本。雌蕊に毛があるトウゴクミツバツツジに対し、ミツバツツジとキヨスミミツバツツジは無毛。子房に毛のあるトウゴク、キヨスミ、子房に腺点があるミツバツツジ。葉柄に毛があるトウゴク、無毛キヨスミ、ミツバツツジ。葉裏に葉表が巻き込み縁に取るミツバツツジ、巻き込まないキヨスミとトウゴク。同定は奥が深いです!
今日はたくさんの春の花を観察でき、中には比較的珍しいものもありました。山岳フラワーガイド沙羅の木では、豊富な山岳経験や知識から、山の花について自然環境や文化歴史といったさまざまな視点から解説いたします。まずは気軽にお問い合わせください。特に「木や草に咲く花など、植物に興味のある方は、学芸員貸切状態のガイド」山岳フラワーガイドをぜひお試しください!